AKAI CS-F39R
¥69,800(1982年頃)
解説
ドルビーCタイプを搭載したクリックリバースデッキ。
赤外線テープセンサーを用いたクイックリバース機構を採用しています。
往復での走行特性の均一化を図るため、走行メカニズムにはバイ・カウンターキャプスタンドライブを採用しています。
この方式ではフォワードとリバースのそれぞれに専用のキャプスタンシャフトとピンチローラーを設け、録再ヘッドを中心とした左右対称設計とすることで走行特性の均一化を図っています。
また、録再ヘッド部分でのテープのたわみや圧着ムラにも着目し、精度の高い独自のテープガイドを採用しています。さらに消去ヘッドをキャプスタンの外側に移し、いっそうの安定化を図っています。
ヘッド部には録再ヘッドを前後に正確にシフトさせる独自のリニアモーション機構を採用しており、優れた往復の録再特性の均一化を実現しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーCタイプNRを搭載しています。
Cタイプでは低レベルと高レベルのそれぞれにBタイプの回路を設けた2段構成を採用しており、しかもスペクトラルキューイングおよびアンチサチュレーション回路を内蔵しています。これにより高域における周波数特性が改善されるとともに、周波数レンジやダイナミックレンジが拡大されています。
メカニズム部には信頼性や耐久性の点で高い安定性を誇る2モータークイック&クワイエットメカニズムを採用しています。
キャプスタン用には低ワウ・フラッターを可能にした電子制御DCモーターを、リール用にはトルクの強いDCモーターをそれぞれ搭載し、優れた初期特性を維持しています。
ヘッドにはHDヘッドを採用しています。
IPLS機能を搭載しており、自動頭出しが可能です。
IPLSモードにして早送りまたは巻戻しをすると、自動的に次の曲または現在の曲の頭を探し出し、そのままプレイ状態に入ります。
プレイと早送りまたは巻戻しを組み合わせてオートプレイが可能です。この機能はフォワードとリバースのいずれの方向でもできます。さらにCS-F39Rではカウンターと連動させてメモリーオートプレイも可能となっています。
オートミュート機構を搭載しています。
この機能では、スイッチを押すと4秒の無音のスペースを自動的に設定し、レックスタンバイ状態となります。
3ポジションのリバースセレクターを搭載しており、片道だけの録再、フォワード方向からの一往復の録音と再生(リバース方向からの片道録再)、A面-B面-A面のエンドレス再生と一往復の録音が選択できます。
12セグメントFLバーメーターとロングストロークスライドボリュームを採用しています。
MPXフィルタースイッチを搭載しており、FMステレオ放送をドルビーNR録音する際に19kHzのパイロット信号によるドルビーNRの誤動作を防いでいます。
バイアスとイコライザーが切り替わる3ポジション対応テープセレクターを搭載しています。
タイマースタート機構を搭載しており、留守録音や目覚まし再生が可能です。
リモコン端子を搭載しており、別売りワイヤードリモコンやワイヤレスリモコンが使用できます。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
ワウ・フラッター | 0.04%WRMS ±0.07%WPeak(EIAJ) |
周波数特性 | 25Hz~18kHz(メタルテープ) |
歪率 | 0.7%(メタルテープ) |
SN比 | 60dB 56dB(EIAJ) ドルビーB NR使用時:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 ドルビーC NR使用時:500Hzで15dB、1kHz以上で20dB改善 |
ヘッド | 録再:HDヘッド 消去:消去ヘッドx2 |
モーター | キャプスタン駆動用:電子制御DCモーター リール駆動用:DCモーター |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅440x高さ118x奥行309mm |
重量 | 約7.6kg |
別売 | ワイヤードリモコン RC-21(¥6,000) ワイヤレスリモコン RC-90(¥18,000) |