AIWA AD-FF70B
¥84,800(1986年頃)
解説
コンピュブレイン機能やドルビーHXプロを搭載したステレオカセットデッキ。
録音時の音楽信号の動きに応じて録音バイアス電流を可変制御するドルビーHXプロを搭載しています。
ドルビーHXプロでは、録音ヘッドに加わる音楽信号とバイアス電流のトータルにあたる実効バイアス値を常に適正値にコントロールしており、音楽信号中の高域成分がバイアス電流と同じ働くことで起る高域MOLの劣化を防いでいます。
この回路は録音時のみ動作するので、どんなデッキとも互換性があります。
テープに最適のバイアス値、録音感度、イコライザー値をオートセレクトするコンピュ・ブレインを搭載しています。録音開始前にこの回路を作動させると、約16秒で3万通りの組み合わせの中からテープに最適の値をオートサーチします。
さらに、設定した値をテープタイプ別にメモリできる3ポジション・データ・メモリ機構を搭載しています。
ヘッドにはDXコンビネーション3ヘッドを採用しています。
3ヘッド方式を採用したことで、各ヘッドに適したギャップ幅や特性設定を可能にしたほか、録音時の同時モニターが可能です。さらに、DXコンビネーションヘッドには、ガード部にセンダスト、コアスペーサーに硬質の複合素材を用いた特殊構造を採用しており、耐摩耗性を向上させています。
メカニズム部にはスーパースタビライズドテンション・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
この方式では、巻取り側にアイワ独自のマイクログレイン・プロセシングによる特殊な表面処理を施したキャプスタンを採用しており、キャプスタンとテープ間に起るスリップを低減し、巻取りリール軸のトルク変動や振動、他の駆動系からの影響を遮断しています。これにより、常に一定のテンションで安定した走行とヘッドタッチが得られています。
テープタイム表示付き多機能電子カウンターを搭載しています。
このカウンターでは、テープ装着時に何分テープかを指示しておけば、テープ残量時間を分/秒単位のリアルタイムでデジタルディスプレイできます。
さらに、デジタルカウンターとして使用している時は、メモリーリピート機構により、任意の2点間の繰り返し再生が可能です。
自動的に曲の頭を約8秒間ずつ再生しながら、次々と早送りしていくイントロプレイ機構を搭載しています。
セットしただけてテープタイプを自動的に判別するオートテープセレクターを搭載しています。
自動消磁システムADMS(Automatic Demagnetizing System)を搭載しています。
ADMSでは、電源スイッチをONにするたびに、デッキ内の消磁発振器が高周波電流をヘッドに流し、1.5秒で消磁を完了します。これによりヘッドの帯磁を防ぎ、中低域のノイズレベルの上昇や再生時の高域の損失、テープの高域が消去される問題を解決しています。
ピークホールド付き12点LEDメーターを搭載しています。
ダブルドルビーB/Cを搭載しています。
再生ボリュームを搭載しています。
オートレックミュートを搭載しています。
MPXフィルターを搭載しています。
マイク端子やリモコン端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック方式 | 4トラック2チャンネル |
ワウフラッター | ±0.045%(W・Peak) ±0.025%(WRMS) |
周波数特性 (-20dB/0dB) |
ノーマル:20Hz~18kHz ±3dB/20Hz~11kHz ±3dB クローム:20Hz~19kHz ±3dB/20Hz~14kHz ±3dB メタル:20Hz~20kHz ±3dB/20Hz~17kHz ±3dB |
SN比 | 75dB(Dolby C type on) |
歪率 | 0.9%(メタル) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 33W |
外形寸法 | 幅420x高さ110x奥行286mm |
重量 | 5.5kg |