AIR TIGHT ATM-4
¥350,000(1994年発売)
解説
ビーム管6L6-WGCを用いた管球式ステレオパワーアンプ。
6L6-GCは長い歴史を持つビーム出力管で、その前身のRCAから1936年に軍用メタルチューブとして登場して以来、6L6-G、6L6-GBなど多くのバリエーションを輩出し、6L6-GCへと変遷しています。ATM-4では6L6-GCの非常に良質なものがロシアより購入できるようになった事で開発されました。
UL接続を採用しており、パワーを落とさずに内部インピーダンスを下げて動作サせることで6L6独自の音を引き出しています。
また、さらにハイパワーを得る場合にはステレオ-モノラル切替スイッチを搭載しており、モノラルパワーアンプとして用いる事も可能です。
初段にはハイミュー、ハイGmの割には内部抵抗の低い12AT7を用いる事でゲインを得ています。
NFBは10dB弱に設定されており、位相補正を極力少なくする事で低歪を狙っています。
基板を一切使わない手配線を採用しており、要所要所で配線材を使い分けて丁寧に配線しています。
バランスチェック回路を搭載しています。
パネル中央に配置されたセンターメーターとシーリングパネル内の調整ボリュームによって出力管プッシュプル動作のバランスを最適の状態に調整できます。
金属皮膜抵抗、デテント型ボリューム、大型巻線ボリュームなど、信頼性の高いパーツを厳選して使用しています。
大型で厚みのあるアルミパネルや無垢材削り出しノブ、何度も重ね塗りされたシャーシ塗装など、細部までこだわった意匠となっています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
実効出力 | stereo:24W+24W(8Ω) mono:48W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.1%以下(1kHz、1W) 1.0%以下(1kHz、24W) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±1dB(24W) |
入力感度 | 0.8V |
入力インピーダンス | 100kΩ |
SN比 | 100dB(IHF入力ショート) |
負荷インピーダンス | 4Ω、8Ω |
付属機能 | 入力2系統切替スイッチ ステレオ/モノラル切替スイッチ |
使用真空管 | 6L6GC:4個 6FQ7:2個 12AT7:1個 |
消費電力 | 約300W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅380x高さ205x奥行340mm |
重量 | 約23kg |