AGI Model 511
¥260,000(1978年頃)
¥185,000(1979年頃)
¥230,000(1980年頃)
解説
アンプのハイスピード化の課題に問題意識をもって取り組んだAGIのデイヴィッド・スピーゲルが、その研究の具体的成果として発表したコントロールアンプ。
スルーレイト250V/μsec以上、ライズ/フォールタイム0.01μsec以下、タイム・ディレイ0.0035μsec以下という数値を示すハイスピード回路と、50MHz以上に及ぶウルトラ・ワイドバンド幅の実現により、フォノアンプはTIM(過渡混変調歪)をはじめslewing induced distortionの発生から完全にフリーになっています。
過渡応答のあまり速くないパワーアンプとの接続においても相互変調による歪が生じないよう回路的工夫が加えられています。
また、低出力インピーダンスと余裕のある出力により、負荷側の様々な条件に対する大きな適応能力を得ています。
入力側には、フォノカートリッジに対する最適な負荷条件の設定を可能にするキャパシター・プラグイン・ソケットを搭載しています。
TONE SEND機能やDUBBINGスイッチを搭載しています。
全てMIL規格の優良部品のみを使って組み上げられています。また、増幅素子は全て金メッキされたソケットにプラグイン方式でマウントされています。
外装はシャーシー・カバーの止めネジにもステンレス製を使っています。
また、木製ケースが付属しています。
機種の定格
型式 | プリアンプ |
<フォノアンプ部> | |
ゲイン | 33.0dB±0.25dB(1kHz) |
入力インピーダンス | 47kΩ(90pF) |
最大許容入力 | 160mV(1kHz) |
出力インピーダンス | Rec out:220Ω |
最大出力レベル | 7V/10kΩ |
周波数特性 | RIAA偏差±0.25dB以内 |
位相特性 | +12゜、-4゜(20Hz~20kHz) |
SN比 | 88dB以上(10mV、1kHz、IHF-A) |
歪率(5V/10kΩ時) | THD:0.005%以下(通常0.001%以下、20Hz~20kHz) IMD:0.005%以下(通常0.001%以下、SMPTE法) |
過渡特性 | スルーレイト:250V/μsec以上 ライズ/フォール・タイム:0.01μsec以下(2Vp-p) タイムディレイ:0.0035μsec以下 |
<ハイレベルアンプ部> | |
ゲイン | 18.7dB±0.25dB |
入力インピーダンス | 38kΩ |
出力インピーダンス | 47Ω |
最大出力レベル | 9.5V/10kΩ 6V/600Ω |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.1dB |
位相特性 | +1゜、-3゜(20Hz~20kHz) |
歪率(5V/10kΩ時) | THD:0.005%以下(通常0.001%以下、20Hz~20kHz) IMD:0.005%以下(通常0.001%以下、SMPTE法) |
過渡特性 | スルーレイト:50V/μsec以上 ライズ/フォールタイム:0.25μsec以下(10Vp-p) 方形波ディルト:2%以下(20Hz、1000Ω負荷) |
<その他> | |
使用半導体 | FET:3個 トランジスタ:130個 ダイオード:27個 ※FET3個、トランジスタ118個、ダイオード7個は4個のIC中に含まれているもの |
電源 | AC100V(90V~111V)、50Hz/60Hz |
消費電力 | 5W |
外形寸法 | 幅354x高さ132x奥行243mm |
重量 | 約6kg |
付属 | 木製ケース |