ADC QLM36/II
¥14,500(1977年頃)
解説
QLMmk2シリーズ最高峰の機種にあたるIM型カートリッジ。
QLMmk2シリーズはXLMmk2シリーズの技術をQシリーズに導入したシリーズで、単に振動系の改良だけでなく、ポールピースをはじめとする電気・磁気両特性の改善がされています。
発電方式にはIM(インデュースドマグネット)型を採用しています。
IM型では一本のカンチレバーと一枚のダンパーで振動系が構成されており、MM型やMC型に比べてシンプルな構成となり、実効質量を小さく抑えています。
カンチレバーには重心と振動支点が殆ど一致するよう設計されたバランスドカンチレバー方式を採用しています。
素材には特殊合金パイプとMUメタルパイプとの二重構造を採用しており、高い剛性と軽量性を両立させています。
バランスドカンチレバー方式によって重心が振動支点と一致するため、カンチレバーを支えるダンパーの軽量化を実現しています。
これによりカンチレバーへの負担を軽くし、さらに動きやすさを改善しています。
QLMシリーズではマグネットをより強力なものに変更しており、MUメタル部分を中心に振動系全体をオールオーバーにリファインする事でさらなるローマス化を実現しています。
それと同時に嵌合部を中心に工作精度の精密化が図られています。
CED(コントロールドエレクトリックダンピング)機構を採用しています。
この方式では軽量化されたカンチレバーを下に並行に配置した強力マグネットによって磁気的中点に電気的に固定しています。
これによりカンチレバーの長さの向きの振動を抑えると共に針先の動きを常にセンターに戻すように作用し、理想的なダンピング効果を確保しています。
機種の定格
型式 | IM型カートリッジ |
周波数帯域 | 10Hz~22kHz ±3dB |
出力 | 5.5mV(5.5cm/sec) |
チャンネルセパレーション | 28dB |
負荷インピーダンス | 47kΩ |
針先 | 0.3x0.7mil |
針圧 | 0.75g~1.5g |
自重 | 5.75g |
交換針 | RQLM36(¥8,000) |