Accuphase DP-90
¥450,000(1992年12月発売)
解説
DC-91とペアで発売されたCDトランスポート。
DP-80で装備した光伝送方式のさらなる高性能化を目合し、HPC(High Performance Connection)デジタル出力を装備しています。
HPCデジタル出力はオプティカル方式とAES/EBUの規格に準拠したバランス方式(平衡型3線式)を装備しています。
HPCオプティカル出力には150Mbpsの伝送レートを持つHP社の超高速光リンクを装備しています。また、HPCオプティカルの光ファイバーとしてコア/クラッド径が50/125μmのマルチモード・インデックスの石英ガラスファイバーが付属しており、パルス伝送歪やジッターが無いピュアなデジタル伝送を追求しています。
HPCバランス出力にはXLRタイプのコネクターを装備した110Ωの特性インピーダンスを持つ専用ケーブルが付属しています。
一般のD/Aコンバーターにも接続できるようEIAJ規格のオプティカル及び同軸出力を装備しています。
ピックアップ部には新開発の小型軽量RFアンプを内蔵しており、増幅された信号を送り出す事で雑音妨害による影響を抑えています。
スピンドル、スレッド、フォーカス、トラック、トレイの各アクチュエーターの駆動回路にはバランス駆動回路を採用しています。
各アクチュエーターに流れるドライブ電流は激しく変化するため、この電流変化によって他の回路にも影響が及びます。ここにバランス駆動回路を用いる事でアースに電流が流れるのを防ぎ、他の回路から分離する事でそれぞれの干渉を排除しています。
CDのメカニズムやコントローラーAssyは8mm厚のアルミ無垢シャーシに固定されており、回転体から発生する振動や外部からの機械振動や音響振動の影響を受けにくい剛性の高い構造を実現しています。これにより安定した信号読み取りを可能にしています。
CDメカニズムの駆動モーターにはブラシレスモーターを採用しています。
このモーターは直径3mmの太いスピンドルをサファイアの軸受けでしっかりと保持することで優れた耐摩耗性を得ており、長期にわたって安定した駆動を実現しています。
ディスクをスライドするトレイにはオートロック機構を装備しています。
トレイは再生中は回転機構から外れて共振の原因となり信号に悪影響を及ぼします。オートロック機構によってトレイをしっかりとロックする事で共振を抑えています。
電源部には2トランス構成を採用しており、デジタル信号処理/マイクロコンピューター/表示関係と、負荷変動の激しいスピンドル/スレッド/フォーカス/トラック/トレイの各アクチュエーター関係を分離しています。
これにより安定度の高い信号を得ています。
音質向上のため、金プレート化した基板を採用しています。
また、コントローラ基板やトランスポートをマザーボードに接続する構造とする事で内部配線を殆ど排除できており、信頼性を高めています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンはDP-90とDC-91で使用でき、それぞれの本体ファンクション以外に、ディスプレイON/OFFや3段階の明るさ制御ができるディマー切換、ダイレクト選曲、リピート、プログラム、タイム表示などの機能を装備しています。
機種の定格
型式 | CD専用デジタル信号再生機 |
フォーマット | CD標準フォーマット エラー訂正方式:CIRC チャンネル数:2チャンネル 回転数:500~200rpm(CLV) 演奏速度:1.2~1.4m/s、一定 |
読取り方式 | 非接触光学式読取り(半導体レーザー使用) |
レーザー | GaAlAs(ダブルへテロ・ダイオード) |
デジタル出力フォーマット(EIAに準ずる) | タイミング精度:レベルI HPCオプティカル: 光出力:-19~-14dBm 発光波長:820nm HPCバランス:5Vp-p/110Ω Optical: 光出力:-21~-15dBm(EIAJ) 発光波長:660nm Coaxial:0.5Vp-p/75Ω |
電源 | 100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 12W |
最大外形寸法 | 幅475x高さ149x奥行379mm |
重量 | 20.5kg |
付属:リモート・コマンダー RC-9 | |
リモコン方式 | 赤外線パルス方式 |
電源 | DC 3V |
乾電池 | UM-4(IEC呼称、R03)、2個 |
最大外形寸法 | 幅66x高さ225x奥行20mm |
重量 | 280g(電池含む) |