Accuphase DC-81
¥400,000(1986年7月発売)
解説
DP-80とペアで発売されたD/Aコンバーター。
D/A変換部には電流加算型を採用しています。さらにDC-81ではディスクリート方式で構成することで16ビットの理論限界値の実現を図っています。
高周波雑音によるオーディオ信号への悪影響を防ぐため、オプトアイソレーターを使用することで電気的な分離をしています。
DC-81では、デジタルフィルターから出力された信号は各ビット信号は左右合計34個のオプト・アイソレーター(伝送帯域7Mbit/sec)で光伝送され、再び電気信号に変換されてD/Aコンバーターに入力されます。これにより電気的に完全に分離され、導体を通してのノイズ干渉がなくなります。基板上では、オプト・アイソレーターの出力は、シールド・フレームの外にあるマザー・プリントボードを通って時期的、電気的に遮蔽されたアナログ回路のコンバーターに入力されます。
デジタルフィルターには左右独立2倍オーバーサンプリング型を採用しており、最も次数の多い121次のフィルターで構成しています。これによって音質に影響を与える通過帯域リップルは±0.001dB以内、減衰量は-90dB異常(24.7kHz)となっています。
ローパスフィルターには、素子を厳選したディスクリートGIC型9次バターワース・アクティブ・フィルターを採用しています。
また、増幅の必要が内容にコンバーターの出力を設定することで、出力段はゲイン0dBのバッファーアンプのみとなっています。この回路にはプッシュプルDCサーボ直結方式を採用することで、低歪特性を実現しています。
デジタル入力端子は、専用の光ファイバー用2系統、同軸ケーブル用1系統の合計3系統を搭載しています。
光ファイバー用受信機の帯域は、送信側と同じ7Mbit/secとなっており、忠実な伝送を可能にしていると同時に、高周波雑音の輻射がありません。
エンファシスが適用されたCDにも対応するため、エンファシス回路を搭載しています。
DC-81のエンファシス回路はパッシブ型のフィルターとバッファーアンプで構成されています。
デジタル回路とアナログ回路を金属でシールドし、さらに電源もそれぞれ専用トランスによって完全に分離しています。
さらに、オーディオ回路は左右の回路を独立したプリント・ボードにレイアウトすることで左右チャンネル間の干渉を防いでいます。
不要輻射対策として、デジタル回路には輻射の少ない高速CMOS ICを多用しています。また、電源を通しての漏れ対策にはラインフィルターを用いています。
出力はRCAフォノジャックが2系統で、内1系統が固定出力、もう1つが可変出力となっています。
また、XLRタイプの平衡出力も搭載しています。
機種の定格
型式 | CD専用デジタルプロセッサー | ||||
フォーマット | CD標準フォーマット 量子化数:16ビット直線 サンプリング周波数:44.1kHz ±5Hz |
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周波数特性 | 4.0Hz~20kHz ±0.3dB | ||||
全高調波歪率+ノイズ | 0.002%(1kHz) 0.008%(20Hz~20kHz) |
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S/N、ダイナミックレンジ | 106dB | ||||
チャンネルセパレーション | 100dB | ||||
定格出力/インピーダンス |
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デジタル入力フォーマット/レベル | フォーマット:Digital Audio Interface Optical:受光電力 -15dBm~-28dBm Coaxial:0.5Vp-p/75Ω |
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使用半導体 | トランジスタ:66個 FET:8個 IC:68個 ダイオード:44個 |
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電源電圧 | AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 25W | ||||
外形寸法 | 幅475x高さ135x奥行373mm | ||||
重量 | 15.5kg |