Accuphase DA-9601
¥680,000(1998年4月発売)
解説
96kHz/24bitに対応した業務用D/Aコンバーター。
D/A変換部にはMMB(Multiple Multi-Bit)方式を採用しています。
この方式はアキュフェーズが開発した独自の方式で、厳選された20ビットD/Aコンバーターを多数個並列駆動させる事で大幅な性能改善を図っています。デジタルフィルターの高速出力をパラレルに各コンバーターに入力し、D/A変換された直後の高速状態で精密に加算します。
各DACの変換出力は信号成分Sに変換誤差eが付加されたアナログ信号になります。そして加算効果によってMMB出力は信号成分に対して変換誤差が1√nだけ小さくなります。これによりS/N比だけでなくダイナミックレンジやリニアリティ、高調波歪といったD/Aコンバーターに重要な特性を一挙に向上させています。MMB方式の場合、信号の周波数やレベルに関係無く全ての周波数と全ての信号レベルで性能を向上させ、改善効果が得られるという特長があります。これにより従来は解消が難しかった出力信号にまとわりつく微小レベルの雑音も低減できています。
DA-9601では8回路のDACを並列動作させているため、コンバーター1回路の場合に比較して全体の性能は約2.8(√8)倍に向上しています。
オプションでクリスタルの装着する事で任意のサンプリング周波数に対応が可能です。
アナログ部とデジタル部を電気的に完全分離することで雑音に対策しています。
AES/EBU、SPDIF、SDIF2の3種類の入力フォーマットに対応しています。
アナログ出力は25dBUの高出力信号電圧を確保しています。
オリジナルのノイズシェーピング・ボリュームにより-90dBを超える微少レベルまで信号劣化の少ないレベルコントロールが可能となっています。
機種の定格
型式 | D/Aコンバーター |
全高調波歪率+雑音 | 0.002%(24bit入力、at1kHz、0dBFS:フルスケール) |
周波数特性 | 10Hz~42kHz +0.3 -0.6dB |
S/N比(ナイキスト帯域:サンプリング周波数1/2の帯域) | 108dB min(聴感補正) |
チャンネルセパレーション | 108dB min(10Hz~42kHz) |
サンプリング周波数 | SPDIF、AES/EBU: 32kHz~96kHzの入力信号をロック 44.1/48.0/88.2/96kHzは水晶精度±50ppmでロック SDIF2 44.1/48.0/88.2/96kHzだけを±50ppmでロック (オプションの水晶装着によって32kHz、44.056kHzなどが±50ppmでロック可能) |
入力インピーダンス | AES/EBU:250Ω SDIF2:75Ω |
アナログ出力(0dBU=0.775V) | フルスケールレベル:25dBU +0.5 -0 チャンネル間出力差:0.2dB max |
アナログ出力端子 | XLR-male 1pin:GND(shield) 2pin:Hot(positive) 3pin:Cold(negative) |
出力負荷インピーダンス | +23dBU:600Ω +25dBU:1kΩ |
出力インピーダンス | XLR2-3間:10Ω |
動作温度 | 周囲温度:0~+40℃ |
電源電圧 | AC100V(120V、230Vは内部で切替)、50Hz/60Hz |
消費電力 | 23W |
最大外形寸法 | 幅482.5x高さ47x奥行370mm(全体、脚含む) 幅482.5x高さ44x奥行5mm(パネルサイズ) 1U(ラックマウント、19インチ標準ラックにマウント可能) |
重量 | 5.2kg |