Accuphase P-300X
¥300,000(1980年6月発売)
解説
P-300、P-300Sをベースに、最新技術を投入して大幅な改善を施したステレオパワーアンプ。
ドライブ段にはMOS FET、出力には広帯域トランジスタを使用しています。
前段にMOS FETを使用したことによって出力段のバイアス電圧が安定し、出力段のエミッター抵抗を取り去る事ができています。これにより大出力時の出力トランジスタのバイアスがカットオフされることなく、スイッチング歪の発生が殆ど無くなっています。
MOS FETドライブは入力インピーダンスが高く、前段の動作が楽になるため、高性能化が可能となります。
プリドライブ段には、トランジスタのカスコード接続を採用し、安定に広帯域増幅を行っています。
入力回路にはカスコード・ブートストラップ差動プッシュプル入力を採用しており、大きなゲインを得ると共に高域特性を改善し、入力インピーダンスの上昇による歪率の悪化を防いでいます。
FET入力を構成することで入力カップリングコンデンサーを取り去って直結しています。
さらに、DCサーボ・アンプで直流帰還をかけ、直流を遮断するとともに、回路内で発生するDCドリフトを抑えています。
電源部では、パワートランスを左右専用巻線にし、専用整流器とフィルター回路による左右の干渉を抑えています。
ステレオパワーアンプをモノラルパワーアンプとして使用できるブリッジ回路を内蔵しており、スイッチの切換えでハイパワーモノラルパワーアンプになります。
ブリッジ接続はアンプが+方向−方向のそれぞれに働き、スピーカーに印加される電圧が2倍になることによってパワーが増強され、さらに歪も打ち消し合うため、特性も改善します。
-20dBまで1dBステップで変化するステップ式アッテネーターを搭載しています。
対数圧縮型ピークレベルメーターを搭載しており、dB目盛とともに8Ω負荷の出力電力を直読できます。
また、メーターファンクション切り替えスイッチによりピークホールドが可能で、3秒毎にその間のピーク値をホールドし表示することができます。
フロントパネルに入出力端子を搭載しています。
別売りでウッドキャビネットがあります。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | ||||
連続平均出力 (20Hz~20kHz、歪率0.01%以下) |
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全高調波歪率 (0.25W~定格出力、20Hz~20kHz) |
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IM歪率(新IHF) | 0.003% | ||||
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格出力、レベルコントロール最大) 0.4Hz~500kHz +0 -3.0dB(出力1W、レベルコントロール最大) 0.4Hz~150kHz +0 -3.0dB(出力1W、レベルコントロール-6dB) |
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ゲイン | ステレオ使用時:27.8dB ブリッジ接続時:33.8dB |
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負荷インピーダンス | ステレオ使用時:4Ω~16Ω ブリッジ接続時:8Ω~16Ω |
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ダンピングファクター(新IHF、50Hz) | ステレオ使用時:150 ブリッジ接続時:75 |
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入力感度/インピーダンス |
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S/N(A補正) |
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ステレオヘッドホン | 低出力インピーダンス型 | ||||
サブソニックフィルター | 17Hz、-12dB/oct | ||||
出力メーター | 対数圧縮型、ピークホールド切替付 -40dB~+3dB及び出力直読目盛 |
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使用半導体 | トランジスタ:42個 FET:12個 IC:7個 ダイオード:61個 |
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電源電圧 | AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 無入力時:80W 8Ω負荷定格出力時:550W |
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外形寸法 | 通常時:幅445x高さ160(脚含む)x奥行373mm ウッドケース装着時:幅466x高さ190(脚含む)x奥行385mm |
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重量 | 22.5kg | ||||
別売 | ウッドケース A-8(¥16,000) |