Accuphase P-102
¥235,000(1987年1月発売)
解説
全段プッシュプル完全バランス方式を採用したA級ステレオパワーアンプ。
バランス伝送を入力から出力までの全系に適用しており、質の高いパワー伝送を可能にしています。
バランス伝送方式では、プラス信号とマイナス信号それぞれに専用の伝送系を搭載し、原理的に外部雑音をキャンセルすると同時に、アンプで発生する歪もキャンセルされるため、純粋な信号成分を取り出す事が出来ます。
A級ドライブ方式を採用しており、入力ステージと出力段をA級動作させています。
出力段にはコレクター損失Pc=80Wの高帯域電力増幅用トランジスタをパラレル・プッシュプルで構成しており、片側のユニットアンプのPcは合計320Wとなり、余裕のある出力段を実現しています。
また、余裕を持たせることで低インピーダンス負荷にも十分に耐え得る出力段とし、プリドライブ段にはアキュフェーズのオリジナル方式であるパワーMOS
FETドライブを採用することで、理想的なドライブを図っています。
入力段には、A級カスコード差動プッシュプルを採用しています。
カスコード回路は、高周波増幅用として使われる回路のため、広い周波数帯域にわたって動作が安定で、入力のリニアリティがよく、広いダイナミックレンジを確保しています。
電源部は左右を完全に独立させ、完全モノフォニック・アンプ2台によるツイン・モノ構成を採用しています。
これにより左右の相互干渉を排除しています。
入力には直結方式を採用しています。
DCドリフトの大きいプリアンプ等を接続した際に、それが増幅してスピーカーにダメージを与えるのを防ぐため、アキュフェーズオリジナルのDCサーボ方式を採用し、直流をカットすると共に温度変化によるアンプ自体のDCドリフトも安定化させています。
入力にはバランス入力とアンバランス入力を搭載しています。
アナログ式大型メーターを搭載しており、出力計はdBと出力ワットを直読できる指針式メーターでピーク値を指示します。対数圧縮のため広いパワーレンジを直読できます。
また、メーターの作動と証明を切るスイッチも内蔵しています。
ゴールド調スクラッチヘアラインのパネル仕上げに天然パーシモンのサイドボードを取り付けたデザインとなっています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | ||||
定格出力(両ch動作、 20Hz~20kHz、歪率0.02%) |
2Ω負荷:70W/ch 4Ω負荷:80W/ch 8Ω負荷:50W/ch 16Ω負荷:25W/ch |
||||
全高調波歪率 (20Hz~20kHz、両ch動作) |
2~4Ω負荷:0.02% 8~16Ω負荷:0.01% |
||||
IM歪率 | 0.003% | ||||
周波数特性 |
|
||||
利得 | 28.0dB | ||||
負荷インピーダンス | 2Ω~16Ω | ||||
ダンピングファクター | 70 | ||||
入力感度(8Ω負荷) | 連続平均出力時:0.8V 1W出力時:0.11V |
||||
入力インピーダンス | 平衡:40kΩ 不平衡:20kΩ |
||||
S/N比(A-補正) |
|
||||
出力メーター | 対数圧縮型、-40dB~+3dB及び出力直読目盛 | ||||
使用半導体 | トランジスタ:81個 FET:16個 IC:8個 ダイオード:89個 |
||||
電源 | 100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 無入力時:245W 電気用品取締法:255W 8Ω負荷定格出力時:300W |
||||
外形寸法 | 幅475x高さ170x奥行408mm | ||||
重量 | 22kg |