Accuphase M-60
¥290,000(1台、1975年7月発売)
解説
再生音楽のより一層の質の向上を目指し、一切の妥協を許さず、長い時間をかけて完成させたモノラルパワーアンプ。
モノラルパワーアンプとすることで、左右チャンネル間の相互干渉を抑えるとともに、重量やサイズを一人で扱える範囲にとどめています。
回路構成は、高周波特性の優れた能動素子をベースに、全増幅段を対称型プッシュプルで構成しており、少量のNFBを施す事によって、優れた立ち上がり特性、直線性、安定性を実現しています。
これにより、TIM歪の発生を防ぐと共にフルパワー時においても低歪な出力を得ています。
また、カラレーションの少ない音質を実現するため、NFBループ内のコンデンサーを取り去りDCアンプ構成としています。
電源部には大型トランスと22,000μFx2のフィルター・コンデンサに高電圧を印加することにより152ジュールという大きなエネルギーを獲得しています(P-300型は120ジュール)
これにより、低域の出力特性が大幅に改善されています。
出力メーターには、3mWから300Wを連続直読できる対数圧縮型を採用しています。
このメーターは、ピーク指示と音量指示の両方をスイッチで切替え可能です。
不要な超低域のノイズをカットするため、サブソニックフィルターを搭載しています。
音量調整として、-20dBまで1dBステップの調整が可能で、それ以下が-23dB、-26dB、-30dB、-∞の25接点ロータリースイッチを搭載しています。
スタジオモニターやホールのPA用としての使用にも配慮し、19型標準ラック・マウント型式とし、キャノン入力も設けられています。
極めて放熱効果の悪い場所にセットしたり、長期間大出力で連続使用する時のため、別売りの強制空冷用ファンが取付け可能です。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
定格出力 (20Hz~20kHz、歪率0.03%以下) |
450W(4Ω) 300W(8Ω) 150W(16Ω) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.03%以下(定格出力時) 0.01%以下(-3dB出力時) 0.05%以下(50mW出力時) |
IM歪率 | 0.01%以下(定格出力時) |
周波数特性(8Ω負荷) | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格出力時) 2Hz~150kHz +0 -3.0dB(1W出力時) |
ダンピングファクター(8Ω負荷) | 120(40Hz) |
入力感度/インピーダンス | 2.0V/100kΩ |
S/N比(入力ショート、IHF-A) | 115dB(定格出力時) |
サブソニックフィルター | 17Hz、18dB/oct |
出力メーター | 対数圧縮型 -50dB(3mW)~+3dB(600W)まで連続直読 ピーク・レベル、ボリューム・レベル切替スイッチ付 |
使用半導体 | トランジスタ:47個 IC:3個 ダイオード:51個 |
電源電圧 | AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 無入力時:65W 4Ω負荷定格出力時:800W 8Ω負荷定格出力時:540W |
外形寸法 | 幅482x高さ170x奥行345mm |
重量 | 27kg |
別売 | 付属品一式(ファン付) O-81(¥8,000) |
備考 | 標準ラック(19inch)取付可能 ラックマウント・ピッチ:100mm(4inch) ラック内径(水平方向):430mm(16 15/16inch)以上 |