オーディオの足跡

Accuphaseの製品をヤフオク!で検索
PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

E-406の画像
 解説 

アキュフェーズがセパレートアンプ群で長年培った開発技術を結集し、プリアンプ部とパワーアンプ部を完全に独立させて、インテグレーテッドアンプの理想の形として開発したプリメインアンプ。

パワーアンプ部は、出力段を4パラレルの出力素子で構成しており、これを大型ヒートシンクに取付け、低インピーダンス負荷にも対応した安定動作を得ています。
出力オフセット電圧(出力に直流分がリークする現象)を防ぐため、アキュフェーズ・オリジナルのDCサーボアンプをNFB(帰還回路)に使用することで、スピーカー出力に直流分を発生させず、電源変動や温度変化にも安定した動作を得ています。

入力回路は、アキュフェーズ・オリジナル差動コンプリメンタリー・プッシュプル回路で構成しており、高いCMRR(同相成分除去比)を実現しています。
この差動部は、ダーリントン接続されたエミッタ接地のプッシュプル・アンプで、信号は出力段のドライバー部に導かれています。この上下対称のプッシュプル構成により、高い安定動作を可能にしています。

電源部は、パワーアンプ/プリアンプ部独立のトランスを採用し、それぞれ専用電源を用いることでアンプ間の相互干渉を完全に防止しています。
パワーアンプ用の電源トランスには9kgに及ぶ重量級のものを採用しており、平滑用には33,000μFx2の大容量コンデンサーを採用しています。

スピーカー端子には極太ケーブルにも対応可能な、真鍮無垢材を削り出した大型スピーカー端子を採用しています。この端子はバナナプラグにも対応しています。
さらに、A+Bポジションを選択することで、バイ・ワイヤリング接続にも対応しています。

出力電力をモニターできる大型パワーメーターを搭載しています。
このメーターは対数圧縮型なため、広いダイナミックレンジを一度に見る事ができ、しかもピークを補足するため変化する音楽信号を正確に監視することが可能です。

ラインアンプ部はディスクリート・パーツで構成しており、基本構成はアキュフェーズのオリジナル、差動ピュア・コンプリメンタリー・プッシュプルで、出力段にはシングルエンデッド・プッシュプル型のエミッタ・フォロアーを設け、シンプルな構成としています。これにより各段の位相補正も軽くなり、より自然な音質を得ています。
また、局部的なアクティブ・リップル・フィルター電源を用いて、主電源からのクロストークに対処しています。

イコライザーアンプ部には、MC型/MM型それぞれのカートリッジの特性を考慮した専用の入力回路を備えた構成を採用しています。
MM入力時は、出力電圧、出力インピーダンスが高い事を考慮し、全周端数帯域にわたって高入力インピーダンスが保てるFET素子で構成しています。また、MC入力時は微小信号を低インピーダンスで受けるため、低雑音素子により差動入力回路を構成し、NFBループの低インピーダンス化を図ることにより、雑音の少ない再生を可能にしています。

回路結線の純度を上げ、音質向上を図るため、主要な信号経路のプリント板に金プレートを採用しています。
プリント基板には高純度の銅を用いており、この上に金プレート化を行うことにより表皮効果の影響を低減し、良好な導電度を得ています。

最短でストレートな信号経路を構成するために、切替が必要な場所にリレーを設置し、これらのリレーを電子的にコントロールするロジック・リレーコントロールを採用しています。
これに使用するリレーには、通信工業用の窒素ガス入り密閉型リレーを採用しています。このリレーの接点は金貼り・クロスバーツイン方式で低接点抵抗・高耐久性を得ています。

トーンコントロール部には、本格的なグラフィックイコライザーに使用される加算型アクティブ・フィルター方式のトーン・コントロールを開発し、搭載しています。
この方式では、本来のフラット信号はストレートに通過し、必要に応じて別で特性を作り、フラット信号から加減させる方式で、従来のトーンコントロールより音質の面で優れた方式となっています。

入力切替と音量調整が可能なリモート・コマンダーが付属しています。
入力セレクターは電子的にリレーを切替える方式を採用しているため、このロジック回路をコマンダーでコントロールすることで、音質の劣化がありません。
さらに、入力レベルの調整器は特に、歪率の小さな抵抗体を採用し、この抵抗体が回転するタイプとしており、これにギア機構・電動モーターを取付け、リモートコントロールに対応しています。このモーターの外被には珪素鋼板によって磁気シールドを施しており、雑音による影響を低減しています。
切替えのタイミングはマイクロ・コンピューターが用いられており、ミリセコンド(ms)オーダーでコントロールしているため、切替え雑音の発生がありません。

バランス入力を搭載しています。
バランス伝送は、送り出し側は同一電圧で位相が180度反転したプラスとマイナスの信号を同時に伝送し、受け側はこれを+アンプと−アンプで受けて、正確に合成します。このとき、ケーブルの中で発生するノイズ成分は両極に同相に入るため、合成されるとキャンセルされ、ノイズ分だけが消滅し、音楽信号の純度が上がります。

ヘッドホン専用のアンプを設け、音質に配慮しています。

プリアンプ部とパワーアンプ部を分離し、独立アンプとして使用するための切替えスイッチとその入出力端子を搭載しています。

機種の定格
型式 インテグレーテッドステレオアンプ
連続平均出力(両ch動作、
20Hz~20kHz、歪率0.02%)
250W/ch(4Ω)
170W/ch(8Ω)
全高調波歪率(両ch動作) 0.02%(4Ω~16Ω負荷、0.25W~連続出力、20Hz~20kHz)
IM歪率 0.01%
周波数特性
Main amp input: 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格出力時)
2Hz~150kHz +0 -3.0dB(1W出力時)
High Level input: 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格出力時)
Low Level input: 20Hz~20kHz +0.2 -0.5dB(定格出力時)
ダンピングファクター 120(8Ω負荷、50Hz)
入力感度/インピーダンス
(定格出力/EIA1W出力)
AD input(MC):0.15mV/0.011mV/100Ω
AD input(MM):4.65mV/0.35mV/47kΩ
High Level input:147mV/11.2mV/20kΩ
Balanced input:147mV/11.2mV/40kΩ
Main input:1.47v/112mV/20kΩ
Disc最大入力
(Rec out、1kHz、歪率0.005%)
MM:300mVrms
MC:8.0mVrms
定格出力/インピーダンス Pre output:1.47V/50Ω
Tape Rec output:125mV/200Ω(ADより)
ゲイン Main input → output:28dB
High Level input → Pre output:20dB
AD input(MM) → Tape rec output:30dB
AD input(MC) → Tape rec output:60dB
S/N、入力換算雑音
入力ショート・A-補正 EIA S/N
定格入力時 S/N 入力換算雑音
Main amp input: 130dB -127dBV 108dB
High Level input: 113dB -130dBV 84dB
Balanced input: 90dB -108dBV 84dB
AD input(MM): 90dB -137dBV 80dB
AD input(MC): 75dB -151dBV 80dB
トーンコントロール 低音(300Hz):±10dB(50Hz)
高音(3kHz):±10dB(20kHz)
ラウドネス・コンペンセーター +6dB(100Hz、Volume -30dB)
サブソニックフィルター 17Hz、-12dB/oct
パワーメーター 対数圧縮型ピークレベル表示
dB目盛及び8Ω負荷時の出力直読
負荷インピーダンス 4Ω~16Ω
ヘッドホン端子 適合インピーダンス:4Ω~100Ω
電源 AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz
消費電力 65W(無入力時)
390W(電気用品取締法)
620W(8Ω負荷定格出力時)
最大外形寸法 幅475x高さ180x奥行423mm
重量 28.0kg
付属:リモート・コマンダー RC-10
リモコン方式 赤外線パルス方式
電源 DC 3V
乾電池 UM-4(IEC呼称、R03)、2個
最大外形寸法 幅66x高さ175x奥行20mm
重量 190g(乾電池含む)