- Accuphase C-260
- ¥370,000(1991年4月発売) 
解説
C-200シリーズの後継機として開発されたコントロールアンプ。
      
      ラインアンプ部にはバランス伝送方式を採用しています。
      ライン入力アンプは入力差動コンプリメンタリー・プッシュプル+カスコード・プッシュプル回路で構成しており、入力段FET回路もカスコード+コンスタント・カレント・ロードになっており、FETにはハイgm素子を採用しています。
      そして、+(非反転)、−(反転)双方に入力すれば平衡入力アンプに、反転入力をグランド、非反転に入力をすれば非反転型の不平衡アンプとなります。
      さらにDCサーボをかけた直結アンプ構成となっています。
      
      ボリュームには新開発の4連動音量調節器を採用しています。
      特に歪率の小さい鏡面仕上げの抵抗体を採用し、鏡面化によって歪特性が良好で耐摩耗性に優れ、さらにブラシと抵抗体の間にグリスなどの音質を損なうものが塗られていません。
      また、一般的なボリュームの構造と異なり、抵抗体が回転し、ブラシの部分が固定されて端子として直接外部に出るようになっており、これによって金属接合部分が5ヶ所から3ヶ所に減り、音質向上を果しています。
      入力バランス回路の−(反転)と+(非反転)両方にこのアッテネーターが入り、左右チャンネル連動のため4連構造としています。
      
      電源部は、イコライザーアンプ、ラインアンプ、プレゼンスコントロールアンプのそれぞれを独立した構成としています。さらに左右チャンネルそれぞれに専用電源トランスを設け、電気的に完全に分離しています。
      また、機械的にも各増幅器は左右チャンネルを独立させたユニットアンプとなっていて、左右及び各ユニット間の干渉を防止しています。
      
      新開発の直結方式ヘッドホン専用アンプを搭載しています。
      
      4ポイント6種類の周波数をコントロールするプレゼンス・コントロールを搭載しています。
      音楽表現上最も効果的な4ポイントを調整できるように配慮しており、周波数の可変店は4ポイント6種類となっています。
      中音域は、中心周波数が500Hzと2kHzで、500Hzはリズム楽器の表現に、また2kHzはヴォーカルなどをコントロールします。また、峰の鋭さを決めるQは、広範なプログラムソースの試聴結果をもとに、自然な変化が得られるQ=0.707を選択しています。
      低音・高音はそれぞれ2種類の周波数を選択でき、全体のエネルギーバランスと雰囲気を調整できます。
      プレゼンス・コントロールの構成は音質劣化の少ない加算型フィルターの組み合わせで構成されており、音質重視の素子を厳選して使用することにより、特性・音質劣化を防いでいます。さらに、プレゼンス・コントロールoffの状態では信号経路から外れるように配慮されています。
      
      イコライザーアンプ部はMM、MCそれぞれのカートリッジにマッチした専用入力回路を備えた構成となっています。
      MM入力時はカートリッジの高出力インピーダンスに整合させて高S/NのFET素子で構成しており、MC入力時は、微小信号を低インピーダンスで受けるため、低雑音素子による差動入力回路を構成し、NFBループの低インピーダンス化を図ることにより、雑音の少ない再生を可能にしています。
      利得はカートリッジの出力にあわせて、MCでは60dB、MMでは30dB、36dBが選択できます。
      
      オーディオ切替部分に窒素ガス封入・金貼り接点を用いた通信工業用リレーを使用したロジック・リレーコントロール回路を採用しており、余分な配線の引き回しによる信号劣化を防いでいます。
      
      バランス入力のためのレコーディング出力には、専用のバランス・アンバランス変換アンプを搭載しています。これにより、バランス入力は他のアンバランス入力と同じようにテープ関係を扱う事が可能です。
      
      小音量再生時の聴感を補正し、エネルギーバランスを整えるラウドネス・コンペンセータースイッチを搭載しています。
      音量調整位置-30dBの時100Hz:+6dB、-20dB時で+4dBになっており、音量調整位置により補正の度合いが自動的に調整されます。
      
      ワンタッチで-20dBまで減衰させることが可能なアッテネータースイッチを搭載しています。
      
      サブソニックフィルターを搭載しています。
      
      上面ボンネットは厚手のアルミ・ヘアライン仕上げ、正面パネルはアルミにゴールド調スクラッチ・ヘアラインを施し、両サイドは天然パーシモン仕上げのボードを取り付けています。
			
機種の定格
| 型式 | ステレオプリアンプ | ||||||||||||||||||||||||||||
| 周波数特性 | 
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| 全高調波歪率 | 0.005%(全ての入力端子にて) | ||||||||||||||||||||||||||||
| 入力感度/インピーダンス (定格出力/0.5V出力時) | AD MM1:8.0mV/2.0mV/47kΩ AD MM2:4.0mV/1.0mV/47kΩ AD MC:0.25mV/0.063mV/100Ω Balanced:252mV/63mV/40kΩ Unbalanced:252mV/63mV/20kΩ | ||||||||||||||||||||||||||||
| 定格出力/インピーダンス | Balanced output:2.0V/50Ω Unbalanced output:2.0V/1Ω Tape rec:252mV/200Ω | ||||||||||||||||||||||||||||
| ヘッドホン端子 | 適合インピーダンス:4Ω~600Ω | ||||||||||||||||||||||||||||
| S/N・入力換算雑音 | 
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| 最大出力レベル (歪率0.005%、20Hz~20kHz) | Balanced output:7.0V Unbalanced output:7.0V Tape rec:7.0V | ||||||||||||||||||||||||||||
| AD最大入力電圧 (1kHz、歪率0.005%) | MM1:250mV MM2:125mV MC:8mV | ||||||||||||||||||||||||||||
| 最小負荷インピーダンス | Balanced output:600Ω Unbalanced output:1kΩ Tape rec:10kΩ | ||||||||||||||||||||||||||||
| ゲイン | Balanced input→Balanced output:18dB Balanced input→Unbalanced output:18dB Balanced input→rec output:0dB Unbalanced input→Balanced output:18dB Unbalanced input→Unbalanced output:18dB Unbalanced input→rec output:0dB AD MM(1/2) input→Balanced output:48/54dB AD MM(1/2) input→Unbalanced output:48/54dB AD MM(1/2) input→rec output:30/36dB AD MC input→Balanced output:78dB AD MC input→Unbalanced output:78dB AD MC input→rec output:60dB | ||||||||||||||||||||||||||||
| プレゼンスコントロール | 4バンド方式 周波数:40Hz/100Hz切替、500Hz、2kHz、8kHz/20kHz切替 可変範囲:±10dB | ||||||||||||||||||||||||||||
| ラウドネスコンペンセーター | +6dB(100Hz、Volume -30dB) | ||||||||||||||||||||||||||||
| サブソニックフィルター | 17Hz、-12dB/oct | ||||||||||||||||||||||||||||
| アッテネーター | -20dB | ||||||||||||||||||||||||||||
| 使用半導体 | トランジスタ:59個 FET:25個 IC:26個 ダイオード:57個 | ||||||||||||||||||||||||||||
| 電源電圧 | AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz | ||||||||||||||||||||||||||||
| 消費電力 | 19W | ||||||||||||||||||||||||||||
| 外形寸法 | 幅475x高さ149(脚含む)x奥行375mm | ||||||||||||||||||||||||||||
| 重量 | 18.4kg | ||||||||||||||||||||||||||||