Accuphase A-20Vの仕様アキュフェーズ

Accuphase A-20V
￥330,000(2000年3月発売)

　解説　

Accuphaseの定電圧駆動や低インピーダンス化などの設計思想・回路技術を受け継ぎ、出力素子にパワーMOS FETを採用した純A級ステレオパワーアンプ。

出力増幅段には熱に対する動作が負特性のパワーMOS FETを採用しています。
このパワーMOS FETをチャンネル当り3ペアのパラレルプッシュプル駆動しており、超低インピーダンス負荷まで安定したリニア・パワーを保証しています。
パラレル接続は、素子の持つ固有の出力インピーダンス、内部雑音を低くでき、また素子から発生する熱を分散させることができるなどのメリットがあります。さらに、MOS FETの直線性の優れた小電力領域を効率よく使用することができ、性能・音質向上に寄与しています。
また、時々現れる瞬間的なパルスの音楽信号をクリッピングから救うため、最大クリッピング・レベルは8Ωで50Wに設定されています。
クリッピングパワーの実測値は、負荷1Ωで156W(音楽信号に限定)、2Ωで126W、4Ωで85W、8Ωで50Wと十分な余裕を持った設計になっています。

出力信号を電流の形で帰還するカレント･フィードバック増幅回路(電流帰還型増幅回路)を採用しています。
原理は、まず帰還側の入力端子のインピーダンスを下げて電流を検出します。その電流をトランス・インピーダンス増幅器でI-V(電流-電圧)変換し、出力信号を作ります。
帰還入力部分のインピーダンスが低いため、位相回転が発生しにくく、位相補償の必要もほとんどないため、少量のNFBで諸特性を大幅に改善でき、自然なエネルギー応答が可能となっています。

NFBによる位相の乱れがなく、優れた安定度を誇るカレント･フィードバック増幅回路により、NFB量切替方式のゲイン・コントロールが可能となっています。
この方式では、増幅部のゲインを下げるとノイズ成分も同時に下がるため、高能率スピーカーやマルチアンプシステムの中高域用での残留ノイズの削減などに威力を発揮します。

電源部には約400VAの高効率大電力容量の大型トランスを採用しています。このトランスは、熱伝導にすぐれ防振効果の高い充填材を用いてケースに封入し外部への影響を遮断しています。
また、平滑用アルミ電解コンデンサーには47,000μFの大容量・高音質タイプを2個搭載しています。このコンデンサーは肉厚の熱収縮スリーブをかけて絶縁され、振動を吸収する構造となっています。

背面の切替スイッチにより、ブリッジ接続が可能です。
ブリッジ接続は、極性の異なる2つのアンプに、逆相信号を入力し、両アンプの出力端にスピーカーを接続する方式で、この方式によってモノラル・アンプにグレードアップできます。
また、切替スイッチのデュアル・モノポジションでは、モノ出力にしてセンターウーファー用出力にしたり、片チャンネル信号を両スピーカー端子から出力して、低域/高域専用のバイアンプ駆動用として使用することが出来ます。

外来誘導雑音を受けにくいバランス接続端子を搭載しています。

対数圧縮式で広いパワーレンジを直読できるアナログ式大型パワーメーターを搭載してます。
また、メーターの動作と照明をON/OFFするスイッチも装備しています。

信号が通過する部品類には銅を使用し、さらにこの上に金によるプレート化を行っています。
プリントボード銅箔面や、入力端子、出力端子など徹底した音質の向上を図っています。

真鍮無垢材を削り出して金プレート化し、その上に絶縁目的のモールドキャップを被せた大型スピーカー端子を搭載しています。